【前編】出目の組み合わせから考える「大小(シックボー)」賭け方別の確率と配当まとめ
前回の記事「アジア圏で大人気のローカルギャンブル「大小(シックボー、タイサイ)」の遊び方」では、大小の基本的なルールと5種類の賭け方をご紹介しました。
今回は3つのサイコロの組み合わせや賭け方ごとの確率(勝率)、配当を見ていきたいと思います。大小で儲けたいなら、どのような賭け方をするのが最も効率的なのでしょうか?
本記事では配当をイギリス基準とし、必要に応じてマカオ基準の配当も併記しています。 また配当の倍率は「日本式(世界式)」と表記しています。 日本式の配当は掛け金を含みます。世界式は含みません。
例:「7倍(6 to 1)」…100ドルを賭けた場合、日本式は「賭け金100ドルを含んで合計700ドルの配当が支払われる」、世界式は「賭け金100ドルに対し、600ドルの配当が支払われる」という風に考えます。
6面ダイス×3個:組み合わせは全部で何通り?
賭け方ごとの配当と確率(勝率)を見ていく前に、大小で使われる6面サイコロの出目についておさらいしましょう。
サイコロ(ダイス)の中で最もメジャーなのは正六面体のものです。上の画像のように1~6個の目が各面に描かれて(刻まれて)いて、対面の合計は必ず7になるように配置されています。1の裏は6、2の裏は5、3の裏は4です。
「精密ダイス」には重心の偏りなし
市販されている一般的なサイコロの多くは、黒い目の数が最も少ない2の面に重心が偏るため、最も出やすい目は「5」です。あるいは製造上の都合で厳密には正六面体にできず、若干面積の広い「1」または「6」が出やすいものもあります。
しかし現代カジノでは、重心の偏りをなくすため様々な工夫が施された「精密ダイス(プレシジョンダイス)」が採用されています。ですので、6つの目が出る確率の差は無視できます。すべて平等に1/6と考えて差し支えありません。
3つの出目の組み合わせを考える
6面サイコロの出目は6通り()です。それが3つ分なので出目は、6×6×6=256通り(重複組組合せ)になります。しかし「大小」ではサイコロ同士に区別をつけないので、のべ256通りの中には重複しているものがあります。ただ重複を許さない組合せを求めても後々の計算が面倒になるだけなので、便宜上「のべ256通り」と考えておきましょう。
それでは、賭け方ごとの出目の確率や配当についてみていきます。
【トータル】配当7~61倍! 外側の数ほど高配当
最もシンプルな賭け方「大小」を理解するためにも、先に【トータル】をご紹介します。【トータル】とは3つの出目の合計を予想する賭け方で、配当は7倍~61倍(6 to 1~60 to 1)とばらつきがあります。
【トータル】の組み合わせと確率・配当
次の表は、3つのサイコロの出目の組み合わせと、それぞれの合計数になる確率、予想が当たったときの配当をまとめたものです。
合計 | 組み合わせ | 確率 | 配当 |
---|---|---|---|
4 | 3/216 (約1.39%) | 61倍 (60 to 1) | |
5 | 6/216 (約2.78%) | 31倍 (30 to 1) | |
6 | 9/216 (約4.17%) | 18倍 (17 to 1) | |
7 | 15/216 (約6.94%) | 13倍 (12 to 1) | |
8 | 21/216 (約9.72%) | 9倍 (8 to 1) | |
9 | 24/216 (約11.11%) | 7倍 (6 to 1) | |
10 | 27/216 (12.5%) | 7倍 (6 to 1) | |
11 | 27/216 (12.5%) | 7倍 (6 to 1) | |
12 | 24/216 (約11.11%) | 7倍 (6 to 1) | |
13 | 21/216 (約9.72%) | 9倍 (8 to 1) | |
14 | 15/216 (約6.94%) | 13倍 (12 to 1) | |
15 | 9/216 (約4.17%) | 18倍 (17 to 1) | |
16 | 6/216 (約2.78%) | 31倍 (30 to 1) | |
17 | 3/216 (約1.39%) | 61倍 (60 to 1) |
【トータル】において配当に差が付けられている理由は、それぞれの合計数になる確率が違うからです。「4」や「17」になる組み合わせは重複なしで1通り(のべ3通り)しかありませんが、「10」「11」になる組み合わせは重複なしで6通り(のべ27通り)もあります。
合計数が「3」「18」の場合と、合計が「6」「9」「12」「15」でもゾロ目の場合は自動的に負けになり、ゾロ目に賭けた人以外は全員掛け金を没収されます。
出目が1~6いずれかのゾロ目になる確率は「6/216(約2.78%)」であり、合計数が「5」「16」になる確率と等しいです。「4」「17」に賭けて勝つのはいずれかのゾロ目に賭けて勝つより難しいことがわかりました。
【大小】配当2倍! 簡単だけど大儲けは難しい
【大小】は出目の合計が、「大」(11~17)か「小」(4~10)を予想する賭け方です。大小ともに配当2倍(1 to 1)です。
【大小】の確率
「トータル」の項目で洗い出した、合計数ごとの出目の組み合わせ一覧をもとに【大小】で勝てる確率を見ていきます。
勝敗 | 確率 | 配当 |
---|---|---|
小に賭けて勝つ | 約48.61% | 2倍(1 to 1) |
大に賭けて勝つ | 約48.61% | 2倍(1 to 1) |
ゾロ目で負ける | 約2.78% | -1倍(賭け金没収) |
大小どちらに賭けても勝率は等しいですが、ゾロ目になる場合もあるので、勝てる確率はどちらも50%未満になります。ゾロ目が出た場合、賭け金が没収されるのはコミッション(ハウスエッジ)と考えてください。
【トリプル】配当31~181倍! サイコロ3つのゾロ目を当てる
続いて、出目が3つ揃いのゾロ目になる可能性に賭ける【トリプル】を見てみましょう。
【トリプル】には、数字を問わずゾロ目になると予想する【エニートリプル】と、特定の数字のゾロ目になると予想する【トリプル】の2種類があって、それぞれ配当は31倍(30 to 1)と181倍(180 to 1)に設定されています(マカオでは少し低めの配当151倍が主流です)。
賭け方の種類 | 確率 | 配当 |
---|---|---|
エニートリプル | 6/216(約2.78%) | 31倍(30 to 1) |
トリプル | 1/216(約0.46%) | 181倍(180 to 1) |
特定の数のゾロ目になるのは、のべ216通りのうちたった1通りだけ……【トリプル】に賭けて勝てる確率は非常に低いことがわかります。その分配当は181倍(マカオは151倍)と高く設定されています。
出目がゾロ目だった場合、エニートリプル・トリプルに賭けた人以外は全員掛け金を没収されます。トリプル系の賭け方をしている人がいなかった場合、胴元であるカジノが総取りすることになります。
トリプルはエニートリプルに含まれるので、カジノは約2.78%の確率でコミッション(ハウスエッジ)を徴収することができます。この確率を高いと見るか低いと見るかはあなたの考え方次第です。
ここまで、3つの出目の組み合わせに基づいて、【トータル】【大小】【トリプル】(+【エニートリプル】)に賭けて勝てる確率とそれぞれの配当を見てきました。
長くなってしまったので、【ワンダイ】【ペア】(【コンビネーション】、【ダブル】)の勝率と配当は後編記事でご紹介します!
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