周囲に被害が及ぶギャンブル依存症! 借金漬けになってもやめられない理由とは? 治療法はあるの?
前回の記事(日本人は世界一ギャンブル好き!? カジノで遊ぶならギャンブル依存症に要注意!)で、法律上ギャンブルが禁止されているはずの日本にギャンブル依存症患者が多い原因を解説しました。
「公営競技(競馬、競輪、競艇、オートレース)」「パチンコ・パチスロ」「ソーシャルゲームのガチャ」が黙認されている以上、ギャンブル依存症患者が増えるのは当然です。ギャンブル依存症についての正しい知識を広く知らしめ、治療や対策を徹底すべきであるというカジノ反対派の意見は正論だと思います。
本記事では、ギャンブル依存によって引き起こされる問題や依存症の治療についてご紹介します。
意志の強弱は無関係! 脳がギャンブルを最優先する
前回の記事「日本人は世界一ギャンブル好き!? カジノで遊ぶならギャンブル依存症に要注意!」で説明した通り、ギャンブル依存症とは精神障害の一種であり、脳が変質する病気です。
脳には「報酬系」という神経回路があって、人の行動は「不快」を解消し「快」の状態を維持するようコントロールされています。報酬によって快感の度合いは様々です。また後天的な学習によって得られる感覚(達成感など)もあります。
報酬系の感覚が麻痺する
ギャンブルに勝つと途方もなく強烈な快感が得られます。急に大金を持つと金銭感覚が狂うのと同じように、強烈すぎる快感によって報酬系の感覚も狂うことがあります。
強烈な快感が得られるギャンブルを最優先事項と誤認する。
報酬に対して鈍くなり、ギャンブル以外の報酬から快感を得にくくなる。
ギャンブルをしていないときを「不快な状態」と捉えてしまう。
このような状態になると、もう自力ではギャンブルを止められません。アルコールや薬物への依存と同じで何を犠牲にしてでも脳がギャンブルを求めるようになります。
生活が破綻してもギャンブルがやめられない
重度のギャンブル依存症は患者の人生を破壊しつくします。
ギャンブルにはお金が必要です。そしてギャンブルは基本的に客が負けるようにできています。依存症になると、どんなに負けがこんでもギャンブルから離れられません。
有り金を使い果たしたら金策に走るようになります。借金の申し込みで人間関係が破綻したり、多重債務状態に陥ったり、最悪の場合は横領や強盗などの犯罪を起こしたりする可能性もあります。
借金を返済するにはギャンブルをやめて真面目に働くしかないのに、本人だけが「次こそ勝てる、絶対に取り返せる、なんなら増やせる」と思い込んでいます。認知の歪みには気づきません。あるいは気付いていても自力ではどうにもできません。
家族や友人も疲れ果てる
ギャンブル依存症は、薬物依存やアルコール依存と同じように患者の周囲に大きな被害と影響を及ぼす病気です。
もしあなたの家族や親しい人がギャンブルで借金を作り、首が回らなくなって助けを求めてきたらどうしますか?
今この瞬間は「見捨てる」「助けない」と考えていても、実際に「もう二度としない」と泣きながら誓われでもしたら、最初の1回は助ける人が多いと思います。
正常だったころを知っているからこそ「立ち直ってほしい」と願うものです。親子なら恩や愛情があって当然ですし、子供が小さいなどの理由で離婚を避けたい場合もあるでしょう。
しかし依存症患者の「もうしない」という約束ほどあてにならないものはありません。脳そのものがギャンブルを欲する状態になっているのですから、たいていあっという間に元の木阿弥になります。
富裕層が依存症になると被害が甚大に…
お金が尽きるまでやめられないのがギャンブル依存症の特徴です。だからこそ富裕層の患者ほど問題が大きくなる傾向にあります。
「カジノ推進派も反対派も必読! 日本人エージェントが紹介するカジノの実態や悲喜こもごも」でご紹介した『カジノエージェントが見た天国と地獄』(尾崎誠史/ポプラ新書)にも書かれている通り、大金持ちでもギャンブルで身持ちを崩す人は大勢います。
裕福な人ほど信用があるので多額の借り入れができます。また尻ぬぐいできる借金の額も多くなります。そもそも収入が多いほどギャンブルに使える遊興費も増えるので、大ごとになるまで問題が発覚しません。その最たる例が、借金額106億円の大王製紙元会長・井川意高氏です。
逆に低所得者はギャンブルにつぎ込める軍資金や借り入れられる金額が少ないので、被害額だけはマシといえます。
唯一の治療法はギャンブルを物理的に断つこと
人生がめちゃくちゃになる可能性が高いギャンブル依存症。もし依存症になったらどのような治療が行われるのか見ていきましょう。
本人に自覚ナシ!? 依存症は治療に結びつけるのが難しい!
繰り返しますがギャンブル依存症は病気です。適切に治療を受ければ「寛解(症状が出ない、抑えられる状態)」まで回復可能です。同時に身辺整理を行い、社会復帰も目指せます。
しかし依存症患者を治療に結びつけるのはたやすいことではありません。
まず日本ではいまだに各種依存症が病気ではなく「本人の資質の問題」として捉えられています。要するにダメ人間だからギャンブル依存症になる、と考える人が多いということです。しかも精神科への偏見も根強く残っています。
さらに患者本人は認知が歪んでいて病識がないケースも多々あります。ギャンブルのことばかり考えイライラし、勝てる可能性が少ない勝負に借金してまで挑むさまは明らかに異常ですが、本人は自分を客観視できません。
仮に病識がない人を病院に連れていっても治療は長続きしません。治療を受けさせようとする周囲の人間に攻撃性が向くこともあります。
しかも依存症の治療ができる病院や医師、患者と家族をサポートする体制が絶対的に不足しています。
治療の始まりは「依存の自覚」か「金銭的な詰み」
依存症は数回の受診で治る病気ではありません。長期にわたる継続的な治療と支援が必要です。つまり本人が心底治りたいと思うか、治さざるを得ない状況に追い込まれないと治療が続きません。
ギャンブルをやめたくてもやめられないと悩んでいるような、依存の自覚がある人は比較的立ち直りやすいです。
問題なのは病識の薄い(ない)患者です。自分が病気だとは思っていないのですから辛い治療を素直に受け入れられるわけがないですよね。ストレス発散のためによりギャンブルにのめり込むこともあるでしょう。v
こういう人は周囲から見捨てられ、借金返済も新たな借り入れもできなくなって、いわゆる「詰んだ」状態にならないと治療できません。依存症の人にとってギャンブルができないのはとても苦痛です。
苦痛を取り除くには治療を受けるしかありません。そうして最初の受診へ結びつけ、「ギャンブルしたい欲望が強すぎて苦しいのは異常だ」と自覚を促していきます。
ギャンブルに近づかない訓練する
依存症治療の最終的な目標は、依存対象に近寄らないよう自分を律する方法を身に着けることです。一度依存症になってしまえば、依存対象とほどよい距離感で付き合っていく道はありません。
脳自体が「ギャンブル=超気持ちいい」と学習しているので、誘惑があれば絶対に負けてしまいます。誘惑に打ち勝てる強い意志を育てるのは不可能です。「自分はギャンブルの誘惑に絶対勝てない」と認められない限りギャンブルから離れることはできません。
どういう状況でギャンブルをしたくなるのか(してしまうのか)を探り、徹底してその状況を避ける努力をします。例えばパチンコ店の前を通らないとか、クレジットカードに制限をかけるといったことです。またギャンブルを連想しない訓練も行います。
ギャンブルから快感を得られなくなることで、苛立ったりうつ状態になったりもします。また治療が進んでから依存状態だった自分を振り返って絶望することもあります。治療過程で出る症状ももちろん治療対象です。
依存から脱した状態を「寛解」と表現するのは、完治することがないからです。寛解状態なら日常生活に問題はなく社会復帰もできます。一見、普通の人と同じですが、きっかけがあれば依存状態に戻ってしまうので完治とはいえません。しかし寛解してギャンブルと触れあうことがなければ、その後は穏やかに生きていけます。
ただギャンブル依存症はその他の依存症と違って、変質した脳が回復する可能性があると考える医師もいます。アルコールや薬物のように脳細胞を不可逆に破壊する物質を外部から摂取しないからです。今後の研究に期待したいですね。
生まれつきギャンブル依存に陥りやすい傾向がある!?
各種依存症の治療で有名な久里浜医療センターの調査によると、一生のうちにギャンブル依存症が疑われる成人の割合は3.6%(男性:6.7%、女性:0.6%)だそうです。昔ハマっていたけれど今は足を洗っている人も含まれています。
この数字からもわかるようにギャンブルをする人全員が依存症になるわけではありません。お酒を飲む人すべてがアルコール依存症にならないのと同じですね。
実はDSM-5や各種調査によって「ギャンブル依存症になりやすい傾向」は明らかにされています。当てはまるからといって必ず依存症になるわけではありませんし偏見を持つべきではありませんが、自衛のためにも頭のすみには置いておきたいところです。
ギャンブル依存症の家族がいる
家族や親族にギャンブル依存症患者がいる場合リスクが高まります。二卵性双生児より一卵性双生児の方が両者ともに依存症になる割合が高いので、遺伝と環境の両方の影響があると考えらえています。
ある1つの遺伝子だけで依存症リスクが高まるわけではありません。ギャンブル好き気質が遺伝していなくても、小さいころからギャンブルをする親を見て育てばギャンブルに対するハードルは低くなります。
もちろんギャンブル好きの親から生まれた子が、100%ギャンブが好きになるわけではありません。
精神的な問題を抱えている
ギャンブル依存症患者の中には、うつ病(抑うつ障害)・躁うつ病(双極性障害)・アルコール依存症・パーソナリティ障害など、他の精神的な障害を抱えている人が少なくありません。これらの病気や障害になる原因とギャンブルに依存する原因が重なっているケースがあるからです。
例えば仕事や人間関係がうまくいっていない人がいるとします。落ち込んでうつ病になることもあれば、憂鬱な気分を晴らすためにギャンブルにのめり込む人もいるということです。ギャンブルに依存してしまう自分が嫌いで、よりうつ状態が酷くなることもあります。
また躁状態の人や飲酒で気分が大きくなる人は、判断力が落ちた状態でギャンブルに大金をつぎ込んでしまう危険性が高いです。絶対にギャンブルに近づけてはいけません。
繰り返しますが、精神障害のある人すべてがギャンブルに依存するわけではありません。絶対に偏見を持たないでくださいね。
報酬系の働きが少ない(ADHD、PTSD等も含む)
各種依存症は、依存対象(報酬)によって強烈な快感がもたらされた結果、報酬系の働きがおかしくなることで発症します。
さて「報酬系」の働き具合や、報酬系が存在する脳の部位の大きさは人によって違います。先天的に報酬系があまり働いていない人(ADHDなど)や、なんらかの理由で後天的に報酬系のある部位が小さくなってしまう人(PTSDの影響など)がいます。
ドーパミン受容体が少ない人は、普段の生活で適切な量のドーパミンを受け取れないので、正常な人よりも刺激的なことに惹きつけられやすい傾向があります。逆にノルアドレナリン・トランスポーターが多すぎる人は、興奮を抑えるノルアドレナリンを受け取りすぎて、実際よりも物事の危険性を過小評価してしまう傾向にあります。
ざっくりいうと脳レベルで「ギャンブルに魅了されやすい人」「ギャンブルの危険性を過小評価しやすい人」がいるということです。
数字の感覚が弱い
ギャンブルは必ず胴元が儲かる仕組みになっています。期待値はギャンブルの種類によってまちまちですが、最終的に客は負けます。大勢の客の中にはジャックポットを当てるひともいますが、大半の人は負けてお金を持っていかれます。
ギャンブルの仕組みや、確率、期待値といったことを正しく理解・認識できる人はそう多くありません。この問題はソーシャルゲームのガチャで顕著に見られます。
「○○万円分回したのに、目当てが出ない」と騒ぐ人がしばしばニュースになります。そもそも確率設定が低すぎるという問題はさておき、確率と期待値を理解していれば「○○万円かけても目当てが出ないケースは普通にある」とわかるはずです。
しかし実際には理解できない人が多数派です。ガチャ確率が1%なら、昨悪でも100回分課金すれば引けると考える人は、残念ながらギャンブルに向いていません。
算数や数学が苦手な人、数字を正しく評価できない人、数字に対する感覚が弱い人はカモにされやすく止め時を見失いがちなので注意しましょう。
上限額を決める、守れない場合は依存症予備軍かも
長くなってしまいましたが、依存症が引き起こす問題と治療法、そして依存症になりやすい傾向について解説しました。
あなたは、自分がギャンブル依存症(依存予備軍)ではないと断言できますか?
少しでもギクリとした方、あるいはギャンブルに依存しやすい傾向に当てはまる方は、すぐにギャンブルを楽しむときのルールを決めましょう。
内容は、1日に使っていい上限額や負けがこんだときに撤退する額、ムキになりそうなときのクールダウン法などがいいですね。ルールを守れなくなったら、それは依存症になりかけている合図です。
依存状態に陥るとギャンブルが苦痛になる上、人生がボロボロになるかもしれません。依存症になる前にギャンブルとの適切な距離の取り方を覚えましょう。また依存状態を自覚したら、医師でなくてもいいので誰かに相談してくださいね。一人で抱え込まないことが大切です。
ところで日本人に人気のオンラインカジノについてご紹介【最新版】
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