日本人は世界一ギャンブル好き!? カジノで遊ぶならギャンブル依存症に要注意！

IR実施法が可決され、近い将来、日本でもカジノがオープンすることになりました。カジノがお好きな方や国内外の投資家の方は続報を待ち望んでいるのではないでしょうか。

しかしカジノ開設に反対している人が大勢いるのもまた事実です。多くの人は「ギャンブル依存症」を問題視しています。ギャンブル依存は周囲に大きな被害が出る上、きっかけがあれば誰でも依存状態に陥る可能性があります。

健康的にカジノを楽しむために、ギャンブル依存症について知っておきましょう。

ギャンブル依存症は脳の病気（障害）

有り金を使い果たしたり、借金してまでギャンブルを続けたりする人を見ると、「だらしない」「自制心がない」「自分に甘い」といった感想を抱く方が多いと思います。またギャンブルにのめりこんでいる本人も「いざとなったら止められる」と考えているケースがほとんどです。

このように性格や意志の問題だと見なされがちなのですが、ギャンブル依存症はれっきとした精神障害・病気だと世界的に認められています。

DMS-5によるギャンブル依存症の診断基準

精神障害の診断には「DMS-5」（精神障害の診断と統計マニュアル 第5版）が広く用いられています。以下の引用は、ギャンブル依存症の診断基準です。

1.興奮を得たいがために、掛け金の額を増やして賭博をする欲求 2.賭博をするのを中断したり、または中止したりすると落ち着かなくなる、またはいらだつ 3.賭博をするのを制限する、減らす、または中止するなどの努力を繰り返し成功しなかったことがある 4.しばしば賭博に心を奪われている（例：次の賭けの計画を立てること、賭博をするための金銭を得る方法を考えること、を絶えず考えている） 5.苦痛の気分（例：無気力、罪悪感、不安、抑うつ）のときに、賭博をすることが多い 6.賭博で金をすった後、別の日にそれを取り戻しに帰ってくることが多い（失った金を“深追いする”） 7.賭博へののめり込みを隠すために、嘘をつく 8.賭博のために、重要な人間関係、仕事、教育、または職業上の機会を危険にさらし、または失ったことがある 9.賭博によって引き起こされた絶望的な経済状況を免れるために、他人に金を出してくれるよう頼む

あなたはいくつ当てはまりますか？

12ヶ月間に4項目以上が当てはまれば「ギャンブル依存症」です。つぎ込む額は関係なく、やめたくてもやめられない状態に陥っていれば依存症と診断されます。

ちなみに政治の場では「ギャンブル等依存症」と呼ばれ、「ギャンブル等にのめり込むことにより日常生活又は社会生活に支障が生じている状態」と定義されています。こちらの方が感覚的にはわかりやすいかもしれません。

勝ったときの快感が忘れられなくなる

ネットスラングで「脳汁がドバドバ出る」という表現がありますが、ギャンブルで勝つと実際に脳内麻薬が大量に分泌され、強烈な快感が得られます。

脳には「報酬系」という神経回路があり、報酬が与えられると快感を覚えるようになっています。快感は生きるために必要な感覚です。例えば「満腹は快・空腹は不快」という認識のおかげで、食べ物（報酬）を手に入れるための行動ができます。

脳にとって気持ちいいことは基本的に良いことです。「ギャンブルで勝つ＝超気持ちいい」と脳に刻まれてしまうと、いくら理性で「もうやめよう」と考えても抑えられなくなります。

強烈な快感と射幸心のダブルパンチ

しかもギャンブルは射幸心も強烈に煽ります。射幸心というのは「幸運を得たい、できれば幸運によって他人より良い状態になりたい」と願う気持ちのことです。射幸心と報酬系を同時に満足させられる（かもしれない）ギャンブルは脳のあり方を変えてしまいます。

もちろんすべてのギャンブラーが依存症になるわけではありません。しかし逆にいうと、すべてのギャンブラーは依存症になる可能性があります。絶対にギャンブル依存症にならないと断言できるのは、ギャンブルをしない人だけです。

ギャンブル（賭博）禁止なのに、ギャンブル依存症患者が多い日本

日本は世界各国に比べてギャンブル依存症患者の割合が突出して高いということがわかっています。ギャンブル（賭博）が法律で禁止されているにも関わらず、です。

……ということを知ると「日本ってギャンブル禁止だったの？」と驚く人が多いと思います。

競馬のレース結果はしばしばニュースになります。駅前には当たり前のようにパチンコ店がありますし、CMも流れていますし、漫画やアニメがパチンコ・パチスロ化することも今では珍しくありません。ソーシャルゲームのガチャを回して、結果をSNSにアップする人も大勢います。

実はここで上げた一般的に「ギャンブル（賭博）」だと思われているものは、すべて法律上はギャンブルではないと見なされているのです。法律さん、ガバガバですやん……。なぜ事実上のギャンブルが見逃されているのでしょうか。

「公営競技」「パチンコ・パチスロ」「ソーシャルゲームのガチャ（ガシャ）」の3種類が賭博と見なされない理由を確認してみましょう。

競馬や競輪は「公営競技」、スポーツ扱い

プロスポーツには「公営競技」に分類されるものがあります。公の機関や団体が開催するもので、日本では「競馬」「競輪」「競艇」「オートレース」の4種が該当します。観客は着順などを予想して投票券を購入し、当たったら配当金が貰えます。

どう見てもギャンブルとしか言いようのない4競技が例外扱いされているのは、売上から徴収した税金が地方自治体の財政を支えている（いた）からです。第二次大戦後の復興資金を集めるために始まった公営競技は、90年代まで多くの地方自治体のお財布を潤し続けました。

経緯を知るとギャンブルではなく公営競技に区分されるのは納得できますね。ただし例外扱いする以上は依存症対策にもっと力を注ぐべきだったと思います。

パチンコ・パチスロは「三店方式」だからセーフ

競馬など公営競技と入れ替わりに人気が高まったのが、パチンコ・パチスロです。90年代～00年代にかけて、PCやゲーム機のハード性能は飛躍的に高まりました。当たりの演出もどんどん豪華になり、公営競技とは比べ物にならないほど高い射幸性を持つギャンブルに成長しました。

パチンコ台やパチスロ台自体は合法です。ゲームセンターにも「メダルゲーム」という分類で置かれています。中には中古のパチンコ台・パチスロ台をゲームセンター用に改造したものもあります。

違法なのは玉（メダル）の換金です。景品との交換はOKです。

パチンコ店は直接的なお金のやりとりを避けるため「三店方式」を取り入れています。パチンコ店のゲーム機で遊んで手に入れた鋼球（メダル）は、「景品」と交換できます。景品には一般景品と特殊景品の2種類にわかれています。

一般景品はタバコやお菓子をはじめとする日用品です。交換したらそのまま持ち帰ります。最近は規制強化の影響で一般景品が増え、品ぞろえがコンビニそっくりになっています。

問題視されているのは特殊景品です。特殊景品は「景品買取所」で売ることができます。パチンコ店と買取所は表向き無関係ということになっていますが、まあ、そういうことです（苦笑）税金が差っ引かれる公営競技より人気が出たのもさもありなんという感じですね。

ただ近年は下でご紹介するソーシャルゲームの台頭や、規制強化の影響でパチンコ・パチスロの売上は減少傾向にあります。

ソーシャルゲームのガチャがギャンブル依存の入り口に

2010年代になると急激にスマートフォンが普及しました。同時にソーシャルゲームも大流行。強いアイテムやお目当てのキャラクターが当たるデジタルくじ引き「ガチャ（ガシャ）」に重課金する人が続出し、社会問題にまで発展しました。

ソーシャルゲームのガチャは、パチンコやパチスロよりも依存に陥りやすいと考えられています。パチンコ店は風営法に則って23時には閉店しますが、ソーシャルゲームはスマホさえあれば24時間いつでもどこでも課金できてしまうからです。

しかも「ソーシャル」ゲームですから常に他人と比較されます。無課金でも遊べますが「ガチ勢」の仲間入りするためには課金が必須ですし、SNSでは見事お目当てを引き当てた人のスクリーンショットが目に入ります。

依存症予備軍の増加も懸念

漫画・アニメが原作のパチンコ（スロ）台の増加や、ソーシャルゲームのガチャは、若い世代にも強い訴求力があります。特にソーシャルゲームは数年前と比べてゲーム部分が作りこまれているものが多く、ガチャをギャンブルだと認識しづらくなっています。

一度でも手を出すと、ギャンブルへのハードルはぐっと下がります。ガチャも含めて一度もギャンブルをしたことがない人に比べると、ギャンブル経験がある人の方が圧倒的に依存症に陥りやすいです。

依存症患者をカジノに入場させない方法については検討されていますが、潜在的に依存症になりやすい状態の予備軍への対応はまったく考えられていません。こういった現状を踏まえ、カジノ反対派は依存症患者の増加を危惧しているのです。

依存症患者と予備軍への対応が急がれる

長々と見てきましたが、日本はギャンブル依存症患者が生まれやすい文化でありながら理解と対策が遅れています。ギャンブル依存症は本人以上に周囲が振り回されボロボロになってしまう病気です。依存症対策に力を入れない限り、反対派の理解は得られないでしょう。

また現在オンラインカジノを楽しんでいる方や海外のカジノで遊んでいる方、カジノがオープンしたら遊びにいく予定の方も、ギャンブル依存に対する知識を持っていて損はありません。

次回は、実際にギャンブル依存症になったらどうなるのか、治療はどのように行うのかをご紹介します。

ところで日本人に人気のオンラインカジノについてご紹介【最新版】

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