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【井川意高氏推薦】カジノ推進派も反対派も必読! 日本人エージェントが紹介するカジノの実態や悲喜こもごも

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井川意高氏が忖度なしにおすすめする書籍をご紹介!

2018年10月10日に発売された『カジノエージェントが見た天国と地獄』(尾崎誠史/ポプラ新書)が大きな反響を呼んでいます。フィクションで描かれるカジノと現実のカジノの違いや、ジャンケット(VIPルーム)エージェントの仕事内容が、マカオのカジノで働く筆者によってわかりやすく解説されています。

わかりやすい! カジノに興味がわくこと間違いなし

白地にシンプルな表紙の下から3分の2程度を、ルーレット写真付きの黒い帯が覆っています。「大王製紙元会長 井川意高氏推薦!」というコピーが目を惹きます。

井川意高(もとたか)氏といえば、マカオのカジノで大金を溶かしまくり、借金返済と新たなギャンブル資金を用意するために、当時社長を務めていた大王製紙から106億円も借り入れた事件(通称:大王製紙事件)で日本中の話題をさらった人です。

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大企業の社長がギャンブルにのめりこんだこと、個人で100億超も借りたこと、しかもその資金は借金返済だけでなく新たにギャンブルをするためにも使われたこと、なによりギャンブルに弱すぎること(笑)など、いろんな意味でセンセーションを巻き起こしました。

おそらく事件発覚当時、多くの人が「カジノって怖い」と感じたのではないでしょうか。2010年代はスマホの普及とともに、ソーシャルゲームのガチャへの重課金やギャンブル依存症が大きな問題になったのでなおさらです。

2018年7月20日、IR実施法案が日本でも可決・成立しました。早ければ2023年にも国内カジノ第1号がオープンする見込みです。

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これまで日本にはカジノがありませんでしたし、賭博も法で規制されています。2018年12月現在、リアルカジノで遊ぶためには海外旅行するしかありません。つまりほとんどの方は「本当のカジノ」に触れたことがありません。

本書はカジノ賛成派にとっても反対派にとっても、カジノの実態を知る良いきっかけとなるはずです。特に第2章は、天国(勝った人)と地獄(負けた人)の例がいくつも紹介されているので、面白くてページをめくる手が止まらないこと間違いなしです。

タイトル カジノエージェントが見た天国と地獄
著者 尾崎誠史
発売 2018年10月10日 第1刷発行
出版社 株式会社ポプラ社(ポプラ新書)
価格 864円(税込/本体800円)
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「天国」も「地獄」も超BIGスケール

本書は4章から構成されていて、マカオのカジノで働く人や仕事内容を紹介する第1章と印象的なカジノ客たちを紹介する第2章が読みやすくて面白いです。第3章は著者がエージェントになった経緯、第4章は日本のカジノに対する著者の考えが書かれています。

とりあえず前半2章を読めば、本物のカジノがどういう雰囲気なのかはつかめると思います。

第2章で紹介されているカジノ客の事例は、天国サイドも地獄サイドも両方とも興味深いです。エージェント視点で勝った人・負けた人のふるまいの傾向が分析されているので、リアルカジノで遊ぶときの参考になるかもしれません。

登場人物の大半は滅多にお目にかかれないレベルの大富豪ばかりで、VIPルームでは、億単位の金額を1日で使うのが当たり前です。井川氏の106億円がかわいく見えます(笑)

それほどの大金を失うのだからやはり怖いと感じるかもしれませんが、そもそも億単位のお金を動かせる人しかVIPルームの高ベットゲームに参加できません。よくも悪くも「普通の人」にはVIPレベルの勝ち負けは無関係です。

もっとも注目すべき点は、日本人と中国人、韓国人の遊び方や賭け方の差だと思います。

日本人は中韓の人々と違ってあまり大勝負に出ない傾向にあるそうです。大金をジャンジャン使うVIP(いわゆる「太い」お客さん)を、どれだけ海外から呼び込めるかが日本のカジノの行方を左右するでしょう。

ちなみにカジノが大成功したマカオでは、税収が余り過ぎて毎年国民全員に「お小遣い」が配られています。税金の還付という形ですが、2017年は1人あたり12万円でした! 失敗すれば税金の無駄遣いになり、成功すれば国民全員が幸せになれる……こう書くとまるでカジノ経営自体がギャンブルみたいですね。

本書を読めばわかりますが、カジノ経営は「運任せ」ではなく、人が努力して魅力的な場やサービスを作り、VIPを呼び込んでこそ成功します。IR(総合リゾート)施設は、カジノ以外の部分も魅力的で満足度が高くないといけないということです。

VIPルームを経営する「ジャンケット」は人脈命

カジノには誰もが遊べる一般フロアと限られたお金持ちしか入場できないVIPルームがあります。本書で主に紹介されているのはVIPルームやVIP客です。というのも著者が「ジャンケット」のエージェントだからです。

ジャンケットとはカジノ内のスペースを間借りしてVIP専用カジノクラブを運営する業者です。

フィリピンのカジノ・オカダマニラ後編~ミニマムベットが驚きの低さ~」でも軽く触れましたが、カジノ内にはカジノ本体の運営会社が場所とテーブル類だけを用意して、実際の運営はジャンケット業者に任せる習慣があります。

ジャンケットに所属するエージェントの主な仕事は、自社のVIPルームに遊びにくるお客さんをアテンドすることや、新しいお客さんを見つけて連れてくることです。VIP客が満足するサービスを提供するにも、VIPルームにふさわしいお客さんを見つけるにも、人脈が非常に重要です。

一般フロアとは比較にならないほどの大金がVIPルームでは動きます。カジノ経営において優秀なジャンケット業者と太いVIP客は欠かせない存在です。オカダマニラを設立した岡田氏もやはりVIPクラブで人脈を広げたのでしょうか?

カジノについて考えるきっかけに最適

『カジノエージェントが見た天国と地獄』は単純に読み物としても面白いですし、「カジノ」というものを理解する手助けにもなります。

自覚があるかどうかは別として、日本には賭け事が好きな人が多くいます。スマホアプリのガチャ課金額が突出していますし、(法的にはギャンブルではありませんが)パチンコ・パチスロが駅前に堂々と出店しているのは日本くらいのものです。おみくじ感覚で宝くじを買い、競馬が定期的にブームになります。

そういう意味ではカジノへの日本人の入場は厳しく規制されるべきでしょう。ただし日本にはVIPルームで豪遊できるレベルの大富豪はあまりいません。カジノができたとしても、パチスロ好きの人が集まる場所がパチンコ・パチスロ店からカジノの一般フロア(スロットゾーン)に変わるだけだと思います。

むしろカジノが失敗した場合税金を使ってテコ入れするのが目に見えているので、IR実施法が成立したいま、日本のカジノを成功させる(失敗させない)ためにも多くの人に読んでほしい一冊です。

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VENGA編集部
VENGA編集部です。コンプレックスを持つ女性に寄り添う記事をお届けします。

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