マカオ・コタイ地区のカジノ~都市計画で外資誘致に成功したIR施設の島~
「マカオのカジノ~世界最大のカジノリゾート地区~」で、マカオは「東洋のラスベガス」と称される世界一のカジノ激戦区だということを軽くご紹介しました。
マカオのカジノ産業の売上は、2006年にラスベガスを追い抜いて以降ずっとトップをひた走っています。世界中の投資家が次々投資するため、マカオは非常に裕福です。カジノからの税収が多すぎて市民にお小遣い(※還付金)が配られるレベルです。その額は2019年にはなんと1人あたり9,000パタカ(約11万8,600円)にも及びます。羨ましすぎて身体中の穴から血が噴き出しそうです……(笑)
マカオが大発展を遂げられたのは、都市計画を立て、戦略的に外資系カジノを誘致したからです。マカオは20世紀末にポルトガルから中国へ返還された植民地の一都市で、そのカジノ誘致戦略を日本が完全に真似ることは不可能です。しかしマカオの成功から学ぶことは多いはずです。
世界随一のカジノ都市・マカオの発展について知る前に、まずはマカオで展開している数々のグランドカジノやホテルを見ていきたいと思います。本記事では「コタイ地区」のIR施設をご紹介します。
コタイ地区とは?
かつてポルトガルの植民地だったマカオは、珠江(しゅこう)の河口にある中国の特別行政区です。香港と同じく一国二制度の対象地区ではありますが、香港よりもはるかに中国本土と経済的に密接な関係にあります。
ちなみにマカオでは香港(や台湾)と同じく「繁体字」が用いられています。日本の旧字体と似ているので、中国本土で用いられている簡体字よりも日本人にとっては読みやすいです。逆にシンガポールやマレーシアでは簡体字が使われています。
マカオ特別行政区は、珠海市の先端部の「マカオ半島」とその沖にある島部にわかれています。本記事でご紹介するのは、2つの島と埋立地からなる「コタイ地区」です。
タイパ島とコロアネ島の間の埋立地
かつてマカオ半島の沖には、「タイパ島」「コロアネ島」という2つの独立した島がありました。南部のコロアネ島は人口が少なく、長らく塩田用の土地として扱われていましたが、1960年代に堤防状の土手道を伸ばして2島をつないだことで人口が急増しました。
1980年代には2島の人口密度は世界最高レベルに達しました。過密状態を改善するために、浅瀬全体を埋め立てる宅地造成計画がスタートしたのです。上の地図の赤い部分が最終的に埋め立てられた土地です。
予定より工事期間が伸びてしまった影響もあり、埋立地の用途は住宅地提供からリゾート地開発に切り替わりました。1999年にポルトガルから中国へ返還されることが決まっていたため、中国本土から観光客を迎えることを念頭において都市計画が立て直されたというわけです。
リゾート地化計画&外資カジノ誘致に大成功!
20世紀末に完成した埋立地は2つの島(コロアネ、タイパ)の頭文字から「コタイ地区」と名付けられました。2000年3月には珠海市とコタイ地区を結ぶ国境橋(ロータス・ブリッジ)も完成し、出入国管理も強化されました。
交通や行政・経済のルールを調整し終えた2002年、マカオは満を持してカジノ経営権の国際入札をつのりました。観光資源の豊富さや近隣諸国からのアクセスのしやすさも相まって、外資系カジノの誘致や投資家・観光客集めに大成功し、現在のように20を超えるグランドカジノがマカオを賑やかすに至りました。
マカオ国際空港からのアクセスも抜群
タイパ島の東部には「マカオ国際空港」があります。1995年にオープンした当初は、旧宗主国のポルトガルと行き来する便がメインの目立たない国際空港でしたが、世界有数のカジノリゾート都市に発展した現在はアジア各地と定期便で結ばれています。
「マカオへの飛行機直行便は1日1便! 香港経由ならフェリーが快適」でご紹介したように、日本とマカオを結ぶ直行便はとても少ないです。しかし今後は状況が変わっていくかもしれません。
まだ詳細は発表されていませんが、マカオ国際空港は第2滑走路建設を計画しているといわれています。日本の空港も韓国路線の代わりに、中国をはじめさまざまな国・地域の路線と新規契約を結んでいます。キャパシティの問題さえクリアできれば、マカオ直行便が増える可能性は十分考えられるでしょう。
マカオ国際空港の魅力はなんといってもタイパ島やコタイ地区の中心部とのアクセスの良さです。もしいずれ直行便が増えれば、日本とマカオのカジノをはしごすることも夢ではなくなります。東アジアの空の動向に要注目ですね!
それではコタイ地区にある有名なIR施設をご紹介します!
コタイ・ストリップ開発を主導するラスベガス・サンズ社
上でも述べた通りコタイ地区は都市計画に沿って開発が続けられています。最も目覚ましい発展を遂げたのは、コタイ地区を南北に貫く目抜き通り・コタイハイウェイ沿いです。
コタイハイウェイ沿いには複数の巨大IR施設が建ち並んでいます。最大勢力は「ザ・ベネチアン・マカオ」を経営するラスベガス・サンズ社です。
ラスベガス・サンズ社は、ザ・ベネチアン・マカオとその周辺一帯をラスベガス・ストリップにならって「コタイ・ストリップ」と名付け、さらなる集中リゾート開発に乗り出しています。
まずはマカオを東洋のラスベガスと呼ばれるまでに成長させた立役者、ラスベガス・サンズ社のIR施設を見てきたいと思います。
ザ・ベネチアン・マカオ
「マカオのカジノ~世界最大のカジノリゾート地区~」でも取り上げましたが、マカオのカジノといえばやはり「ザ・ベネチアン・マカオ」でしょう!
「ザ・ベネチアン・マカオ」は2007年に開業したランドカジノで、敷地全体がベネチアを模した設計になっていることで有名です。総客室数3,000・全室スイートの超巨大ホテルや、15,000人を収容できる多目的イベントホール「コタイ・アリーナ」などがあります。
ベネチア風のオシャレなストリートには、350店舗を超えるショッピングモールや40店舗以上のレストランが並び、運河には観光用ゴンドラ(グランド・キャナル・ゴンドラ)が行き来しています。ゴンドリエーレ(※ゴンドラの漕ぎ手。女性はゴンドリエーラ)の美しい歌声は必聴です。
ザ・プラザ・マカオ
「ザ・プラザ・マカオ」は2008年8月にオープンした、高級志向の施設群です。ザ・ベネチアン・マカオの南に隣接しています。ショッピングモール、フォーシーズンズホテル、カジノなどで構成されています。
マカオ最大の屋内ショッピングモール・サンズショッパーズ(Sands Shoppers Macao)には、実に850店を超える免税店が入居しています。時計や宝飾品も目立ちますが、主役はファッションブランドでしょう。
フォーシーズンズ・ホテル・マカオ・コタイストリップの客室数は360室です。
サンズ・コタイ・セントラル
「サンズ・コタイ・セントラル」は2012年4月11日にオープンした、非カジノ系施設がメインのIR施設です。ハイウェイを挟んだ東側にあり、ザ・ベネチアン・マカオやザ・プラザとは通路で繋がっています。
サンズ・コタイ・セントラルには合計6,200室以上にも及ぶホテル群や、飲食店、ショッピングモール、会議室などの非カジノ系の施設が集められています。一応カジノも2つありますが、2017年から始まった拡張計画でも、ギャンブル以外の収益を上げることが目標に掲げられています。
ショッピングモールやレストラン街には庶民向けの店舗も入居しているので、常に買い物客で賑わっています。宿泊費もお手頃価格なので、マカオ観光の拠点として利用する旅行客も多いです。
サンズ・コタイ・セントラルに参入しているホテルは以下の通り。
サンズ・コタイ・セントラルのホテル
- ・コンラッド
- ・ホリデイ・イン
- ・シェラトン
- ・セントレジス
ザ・パリジャン・マカオ
「ザ・パリジャン・マカオ」は2016年9月にオープンした、エッフェル塔のミニチュアが特徴的なパリ(フランス)モチーフのIR施設です。ザ・プラザ・マカオのさらに南に隣接しています。客室数3,000のホテルやスパ、プール、ヘルスクラブ、キッズクラブなどがあります。
エッフェル塔のミニチュアは、コタイハイウェイに面していて、道路を挟んで向かい側にあるサンズ・コタイ・セントラルからもよく見えます。コタイ・ストリップの中ではテーマパーク感が強く、親子連れに人気です。
ラスベガス・サンズ社といえばベネチアモチーフのカジノを連想すると思いますが、実は現在、ロンドン風のカジノも建設中です。
ただひたすら豪奢なカジノも素敵ですが、総合リゾートを名乗る以上、遊び心も重要ですよね。ハウステンボスや「○○村」が好きな日本人と親和性が高いと思います。
日本への投資にも意欲あり!
ラスベガス・サンズ社の会長兼CEOのシェルドン・アデルソン氏は、2004年、マカオ半島に「サンズ・マカオ」を開業・投資しました。その結果、資産が14倍以上に増え、2007年の世界長者番付(フォーブス)では7位にランクインしました。
その後も「ザ・ベネチアン・マカオ」(マカオ・コタイ地区/2007年)、「マリーナベイ・サンズ」(シンガポール/2010年)など次々にIR事業で成功し、コタイ・ストリップの拡張にも余念がありません。
アデルソン氏は、日本では「トランプ大統領最大の大口献金者」「トランプ氏が懇意にしているカジノ王」として知られている人物です。日本政府へ圧力をかけたかどうかは定かではありませんが、アデルソン氏はすでに何度か日本への大型投資の用意があると発言しています。
ラスベガス・サンズ社は、海に近い土地を利用したIR施設の運営について膨大なノウハウを持っているので、地理的条件の近い日本への投資に積極的なのも頷けます。
日本のカジノファンとしても「ザ・ベネチアン・マカオ」や「マリーナベイ・サンズ」のような超豪華なIR施設が国内にできるのは大歓迎ですよね! カジノ自体には興味がない方でも、併設される遊園地やショッピングモールには期待できるはずです! 合法的な日本上陸を楽しみに待ちたいです。
ここまではラスベガス・サンズ社のカジノを紹介してきました。次は、ラスベガス・サンズ社以外のカジノ(つまりコタイ・ストリップに含まれないカジノ)をご紹介します。
シティ・オブ・ドリームス
「シティ・オブ・ドリームス(CoDマカオ)」は2009年6月1日にオープンした、メルコリゾート&エンターテインメント社(旧メルコクラウン社)が運営するIR施設です。ザ・ベネチアン・マカオの向かい、サンズ・コタイ・セントラルの北隣にあります。
敷地面積は39,000㎡、ホテルの総客室数は1,400です。カジノには、ゲーム用テーブルが450台とスロットが1,514台用意されています。
ベネチア風運河を売りにしているザ・ベネチアン・マカオに対し、シティ・オブ・ドリームスは水族館やバブルファウンテン、ショー用巨大プール「ダンシング・ウォーター・シアター」を建設し、差別化をはかっています。
シティ・オブ・ドリームスに参入しているホテルは以下の通り。
シティ・オブ・ドリームスのホテル
- ・グランドハイアット
- ・ザ・カウントダウン
- ・モーフィアス
- ・ヌワ
全体的にモダンというか、建築家のオリジナリティを活かした施設が多いです。またメルコリゾート&エンターテインメント社は、フィリピン・マニラにも「シティ・オブ・ドリームス・マニラ」を展開しています。
スタジオシティマカオ
「スタジオシティマカオ」は2015年10月27日にオープンした、テレビや映画など映像制作施設がメインのIR施設です。もとはアメリカと香港の企業が共同で立ち上げたプロジェクトでしたが、現在はメルコリゾート&エンターテインメント社が買収・運営しています。
ホテルの客室数は1,600室、ゲームテーブルは約400台です。
タイムズスクエアを模した施設や、「バットマン:ダークフライトアトラクション」という観覧車のような乗り物が人気です。ハリウッド映画がお好きな方にオススメします。
ギャラクシー・マカオ
「ギャラクシー・マカオ」は2011年にオープンした、ギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)社が運営するIR施設です。ザ・ベネチアン・マカオの西隣にあります。
GEG社は香港の企業で、コタイ地区に先駆けて2006年にマカオ半島で最初のカジノとホテルをオープンしました。その後コタイ・ストリップの開発にあわせ、総工費165億香港ドル(=約21億ドル、約2,260億円)もの大金をかけて、「ギャラクシー・マカオ」を建設しました。
3つのホテルをあわせて総客室は2,200室を超え、50店以上の飲食店ではさまざまなアジア料理が楽しめます。白砂ビーチ付きの巨大プール(スカイトップ・ウェーブ・プール)や、オアシスを模した庭園など、土地と空間が贅沢に使われています。
ギャラクシー・マカオに参入しているホテルは以下の通り。
ギャラクシー・マカオのホテル
- ・ホテルギャラクシー
- ・ホテルオークラ
- ・バンヤンツリー
さらに西隣の敷地には「ブロードウェイ・マカオ」もオープンしています。高級さを追求した「ギャラクシー・マカオ」に対し、ブロードウェイ・マカオはカジュアルなアジアや現地マカオの文化を取り入れています。
現地の方にも人気なのが、屋台街です。日本以外のアジアでは今も屋台は珍しくありません。本物の露店販売よりも安心安全に買い食いを楽しめます。海外でお腹を壊しやすい日本人にとっても、気軽にアジアの風情を味わえる場所です。
コタイ・ストリップはまだ巨大化する!
駆け足で見てきましたが、いかがでしたか? コタイ・ストリップ(と総称されている地区)の開発はまだまだ続きます。すでにマカオ全体のカジノ売上はラスベガスを抜いていますが、コタイ・ストリップがラスベガス・ストリップを超えて発展する日もそう遠くないように感じます。
マカオは20世紀末までポルトガルの植民地で、中国に返還されたときにはかなり近代化が進んでいました。さらにコタイ地区は埋立地なので、都市計画が立てやすかったでしょう。しかしそういった事情を考慮しても、コタイ・ストリップのリゾート開発は素晴らしいと思います。
次回は、マカオ半島のカジノをご紹介します。コタイ地区よりも先に作られたカジノ群には、どのような特徴があるのでしょうか!?
ところで日本人に人気のオンラインカジノについてご紹介【最新版】
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