【2月10日版】マカオのカジノ15日間の営業停止! 新型コロナウイルスの影響とは?

新型コロナウイルス感染拡大を水際で食い止めることはできるのか―。
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(新型肺炎)の感染拡大が止まらない。2020年2月10日(月)現在、中国国内での死者は900人を超え、世界での感染者も判明しているだけで4万人を超えた。すでに02~03年に猛威を振るった「SARS」以上の被害が出ているが、事態が収束する気配はまったくない。
中国政府やWHOの初動の悪さが指摘されるなか、各国は感染拡大を防ぐべく水際作戦を展開している。そのうちの1つが、マカオ政府によるカジノの長期休業だ。
マカオ政府とカジノ6社が協議、2月5日より営業停止

2月4日午前、カジノ運営企業勤務の女性が新型コロナウイルスに感染していることが判明した。マカオでは9人目の発症者にあたる。報告を受けたマカオ政府はカジノ運営6社(※)と緊急会議を行い、翌5日よりマカオ内の全カジノを15日間営業停止にすると発表した。
(※)カジノ運営6社:SJMホールディングス、MGM、ギャラクシー、ラスベガス・サンズ、ウィン・リゾーツ、メルコリゾート&エンターテインメント
カジノは基本的に24時間営業・年中無休である。マカオでは2018年9月に台風22号の影響で一時休業した例があるが、半月(あるいはそれ以上)にも及ぶ長期休業は前代未聞の事態である。
カジノと観光が主要産業のマカオは世界でも有数の人口過密地域で、中国本土からの旅行客が多いという特徴がある。中国が「春節」を迎える毎年1月~2月はとくにその傾向が顕著になる。
しかし、新型コロナウイルスは人口密度が高い閉鎖空間で感染拡大しやすいことがわかっている。横浜・大黒ふ頭に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の集団感染が典型例だ。
マカオでの新型肺炎のパンデミックを防ぐためには、カジノの営業停止はやむを得ない措置である。歳入の8割以上をカジノからの税収で賄っていることを考慮すると、英断ともいえる。
休業期間は「15日間」(2月5日~19日)とされているが、実際に営業再開するのは状況が改善したと判断されてからのことになる。2月10日現在、新型コロナウイルス感染者数は4万人を超え、一向に終息の気配は見えない。休業期間が延長される可能性はかなり高いだろう。また通常の営業状態に戻るには3ヶ月程度かかるとの意見も出ている。
休業期間が長引くほどカジノ運営企業の経営は厳しくなる。マカオの経済は既に大ダメージを受けているが、日本も他人事ではない。東京オリンピックの開催が危ぶまれるだけでなく、IR事業がスタートから躓く可能性も考えられるからだ。
フィリピン、香港では死者も
2月10日現在、マカオ以外の国や地域のカジノは通常通り営業している。しかし新型コロナウイルスの封じ込めは困難であり、アジア諸国を中心に感染者は増加している。今後、カジノの休業を決める国や地域が増える可能性は十分考えられる。
例えば、フィリピン・マニラでは2月1日に武漢出身の中国人男性が死亡した。男性は香港経由でフィリピンに入国、セブ島に滞在したあとマニラ市内の病院へ入院した。フィリピン政府は翌2日より、中国人旅行者の入国禁止措置を取り、以降は感染者・死者ともに増加していないが油断はできない。
シンガポールでは「グランドハイアットシンガポール」の利用者から感染者が発生した。海外からの旅行客が多数利用する高級ホテルでの感染の影響は計り知れない。なお、シンガポールの感染者数は中国本土以外で最多の28人だ。隣国・マレーシアも14人と比較的多く、注意が必要だ。
まとめ:沈静化はまだ厳しい
現時点では、日本国内ではまだ新型コロナウイルスの流行は認められていない。横浜停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」内では集団感染が起きているが、「日本」国内の感染者には含まれないからだ。
クルーズ船の状況を見る限り、マカオ政府とカジノ6社の判断は間違いなく正しかったと言える。
カジノファンとしては、マカオ経済が致命傷を負う前に新型コロナウイルスの感染拡大が止まることを祈るしかない。
