「「コンプ」で高級車ゲット!? カジノで遊ぶほど増える無料サービスの実態」でもご紹介したように、カジノはしばしば顧客還元サービスと宣伝を兼ねて、ジャックポット(大当たり)の確率を上げたり、高級アイテムのプレゼントイベントを開催したりします。
カジノファン読者の皆さんは既にご存知だと思いますが、日本にも少額(といっても1億円越え!)のジャックポットを当てた人はいます。アメリカの宝くじ(1,700億円)に比べるとショボく感じますが、いまどき大卒でも生涯年収の中央値が3億円にとどかないのですから、夢のある話ですよね~。
ところで、仮想通貨(暗号資産)ブームで見事成り上がった「億り人」にかかる税金がエグいとしばしば話題になりますが、カジノで大勝した場合はどのくらい税金がかかるのでしょうか。海外のカジノでお金(資産)を増やした場合、税金の支払先は現地と日本どちらなのでしょうか?
税金関係は「知らなかった」では済まされません。支払い忘れて数年後、ドーンとまとめて請求されることもザラにあります。取らぬ狸の皮算用と言うなかれ。ジャックポットで富裕層の仲間入りする日に備えて、カジノの勝ち金やプレゼントにかかる税金について勉強しましょう!
知識をつけて賢く節税! 納税はスマートに行うべし
そもそもの話、カジノで勝った場合、税金を支払う必要はあるのでしょうか?
カジノで勝ったお金は「一時所得」、つまり税金がかかる!
結論からいうと、税金を支払わなくてはいけません。地道に勝ちを重ねて最終的に黒字になった場合も、ジャックポットで大金をゲットした場合も、稼いだ額に応じて納税義務が発生します。
いまどきタンス預金(へそくり)だって隠せませんからね。ましてカード支払いならお金の動きは丸見えでしょう。大金が動くカジノには、常に税務署(国税局)が目を光らせていると考えるべきです。
納税義務が発生するのはわかりました。それでは、納税はどこで行えばいいのでしょうか。
納税先は「現地」or「日本」?
またまた結論から申し上げると、日本人の場合、カジノのある国(現地)と日本国の両方に税金を納めなくてはいけません。
それじゃあ税金の二重取りじゃん! ムカつく! という気持ちはよ~くわかります。が、日本の法律で決まっていることなので諦めるしかありません。
ただ手続きを踏むことで二重課税を防ぎ、場合によっては納税額を減らすこともできます。国によって税制が違うので、現地で取られる税額は違うからです。
日本人は日本国に納税義務がある
日本国籍を持つ日本人は、全員「日本国」に対して納税の義務があります。誕生祝いに仮想通貨を贈られた赤ちゃんが、0歳にして納税義務が発生して話題になったことは記憶に新しいですね。ほかにも贈与税なども年齢を問わず発生する税金です。
同じように海外のカジノでゲットしたお金も課税対象です。現地で支払っているかどうかは関係ありません。現地の法律と日本の法律は別々に成り立っているので、現地で納税後の金額が「海外で得た臨時収入」としてカウントされるのです……。
現地:勝ち金が一定金額を超えると納税義務発生
儲けたら儲けた場所で納税するというのは当たり前の考え方です。海外で儲けてもその国に納税する必要がなければ、外貨が稼ぎ放題になってしまいます。Amazonの法人税問題は、日本に納税せずに日本円を稼ぎまくっていることに起因しています。
というわけで日本人に限らず、カジノで儲けた人はそのカジノがある国に納税義務が発生します。
ただし税金が発生する金額は国によって違います。たとえばアメリカは約100万円(1万ドル)未満まで無税ですが、マカオは約50万円から税金が発生します。
換金時に天引きされるので、納税漏れはなし
税金が徴収されるのは、ジャックポットが当たった瞬間ではありません。勝った額を「換金」して、カジノ外で通貨として使える状態に確定した段階です。換金時に税金分が天引きされて振り込まれたり、小切手や現ナマが渡されたりするのです。
極端な話、ジャックポットを当てても全額カジノで使い切れば税金はかかりません。また換金する前の、カジノ内通貨(チップ)は自由に持ち帰れます。カジノ内でしか使えないお金は、通貨とみなされないからです。
ほかにも勝ち金を現地で預けておくことも可能です。換金さえしなければ税金がかからないので、次回以降の遊びに使えます。ジャックポットで当てた分をデポジットすれば、VIP会員になれますし、コンプのグレードも上がります。
VIPならカジノまでの旅費や宿泊費が無料になることもあるので、今後もカジノ通いを続けるなら、カジノで稼いだお金はすべてカジノで使うと割り切ったほうがよさそうですね。
租税条約で現地納税せずに済む! どちらがお得か考えて
例えば日本とアメリカの間には「日米租税条約」という税金に関する協定が結ばれています。これを利用すれば、日米合わせて取られる税金の額が多少減る可能性があります。
海外のカジノで勝つと、換金時に現地へ納税→天引きされて手元に→帰国後、天引き分を申告して日本へ納税、という流れになります。しかしアメリカのカジノなら「1042S」という書類を発行してもらうことで、アメリカでの課税が免除されます。天引きされることなくカジノから全額振り込まれます。
「1042S」はアメリカから日本に送られます。「この人はアメリカで課税免除を受け、○○ドル(○○円)を日本に持ち帰りました」という証明書です。日本はこの書類をもとに、納税のお知らせを送ります。
余計に厳しくなったような気がしますが、儲けた額によってはアメリカ・日本の双方に払うより、全額持ち帰って日本にだけ納税する方がお得な場合があります。1万ドル(約100万円)未満なら、日本では課税対象外になるので、証明書を出してもらう方が間違いなくお得ですね。
日本は「OECDモデル租税条約」に基づいて、アメリカ以外にもOECD加盟国を中心にさまざまな国と租税条約を結んでいます。
ジャックポットはどんな種類の「所得」になるの?
一般ルームで遊ぶ一般人がカジノで儲けるケースというのは、
1.地道に勝ちを重ねる
2.ジャックポットを当てる
3.イベントやコンプで高級プレゼントを貰う
おおむねこの3パターンに集約されるでしょう。
3の高級プレゼントは、品物を持ち帰るか換金するかで変わってくるので、まずはわかりやすく「お金」が増える1と2のケースについてみていきましょう。
ジャックポットは臨時収入=一時所得である
カジノや競馬、福引、イベント参加など、営利目的ではない行動で偶然ゲットした臨時収入はすべて「一時所得」として扱われます。カジノで遊ぶのは営利目的の行為ではありません。勝てるかどうかは運次第なので、確かに偶然性と臨時性の両方を満たしていますね。
1月1日~12月31日の1年間に「一時所得」が発生した人は、翌年3月15日までに「確定申告」をして、収入の額に応じて税金を支払わなくてはいけません。
億り人をはじめ、急に儲かった人の税金がエグいといわれるのは、実際に税金を支払うのが儲かった年の翌年だからです(2021年にジャックポットを当てたら、支払いは2022年の春)。
一般的なサラリーマン(会社に勤めて、お給料をもらっている方)は、給与天引きで税金を支払っているので、確定申告をする習慣はないでしょう。うっかり払い忘れた場合も「脱税」になるので、カジノで大勝した人やジャックポットに恵まれた人は、ゲットした全額を使っちゃダメですよ!
ちなみにカジノで勝ったといっても100万円程度までなら、カジノで使った額や控除を差し引いて、最終的に税金が0円になる場合がほとんどです。やはり気を付けるべきは「ジャックポット」ですね。
では、具体的にカジノで得た勝ち金(主にジャックポット)から、どのくらい税金を払わなくてはいけないのでしょうか。
確定申告は、実はお得
確定申告というのは、昨年1年間のお金の流れをはっきりさせて、最終的な収入とその収入にかかる税金の額を確定させる作業です。収入が予想より少ない場合、先払いしていた税金が還付されることもあります。年末調整もその一種ですね。
還付金で懐が温まることもあるので、普段のお給料以外に収入がある方は(たとえ最終的に税金が0円になりそうな額でも)確定申告して損することはありません。税金を取られて損したと感じるくらい勝った人は納税義務があるので、まあ、あきらめてください。
ジャックポット当選金のうち「一時所得」扱いになるのはいくら?
所得(収入)はいろんな区分にわかれていて、「一時所得」はそのうちの一種です。
一時所得は、「総収入金額」―「その収入を得るために支出した金額」-「特別控除額(上限50万円)」で求められます。つまりジャックポットに限ると、
「一時所得」=「ジャックポットの当選金」-「ジャックポットが出るまでに使った額」-「特別控除」
という計算になります。実際にはジャックポット以外にも勝ち負けが発生しているでしょうし、カジノで使った額が全額「支出」と認められるとは限りません。
で、ここからが重要なのですが、税金がかかるのはいろいろ引き算して確定させた「一時所得」の半分の額だけです。一時所得の半額が税金として取られるわけではないので安心してください。
一時所得は予定外の収入、臨時収入です。臨時収入全体に税金をかけるのはいくらなんでも酷いので(?)、「一時所得」として算出した金額の半分は、税金がかからず丸ごと手元に残るようになっています。
確定申告すれば確実に一時所得の半額がゲットできる!
「総所得(1年間の税金がかかる収入)」=「お給料などの所得」+「一時所得の半分」と定めます。この総所得に税率をかけて、税金を決めます。総所得が多いと税率が上がっていきます。
ジャックポットを当てたら、結構な額を税金で取られます。しかし、ジャックポットで貰った額と、カジノで使った額、特別控除額を考慮して算出した「一時所得」のうち半分はまるごと手元に残ります。
ちなみにうっかり税金のことを忘れていたり、ケチって脱税すると、延滞料が課されたり最悪逮捕されます。とくに悪質な脱税だと判定されると「重加算税」で根こそぎ持っていかれます。犯罪歴があると海外旅行も自由にできなくなるので、これからもカジノで遊びたいなら税金はしっかり払いましょう。
二重課税を避けて税金はきちんと支払うべし
ここまで「カジノで稼いだお金」にかかる税金についてみてきましたが、いかがでしょうか。現地と日本、両方で税金を支払わなければいけない場合があるのは、ちょっとショックですよね。
しかしアメリカをはじめ、カジノがあるほとんどの国とは「租税条約」が結ばれているので、手続きを踏めば二重課税は避けられます。勝ち金が少額なほど、きちんと書類を貰った方が節税になります。
また国によって現地で天引きされる額(税率)が違う上、日本では「一時所得」として「総所得」の一部扱いされるので、ご自身の所得額を考慮すれば、現地で天引きされてから持ち帰った方がお得な場合もあるかもしれません。
税金を完全に回避したいなら、換金せずにカジノで使い切るか預けてくださいね。コンプのサービスがグレードアップすることを考えると、高額デポジットは非常にお得といえるでしょう。
次は、コンプやイベントで高級アイテムを貰った場合にかかる税金を見ていきたいと思います。