多くのカジノではルーレットやバカラ、ポーカーといった定番ゲームのほかに、その土地で人気のローカルゲームや、運営元が得意とするゲームが置いてあるケースがほとんどです。
例えば日本企業が経営する「オカダマニラ」では、競馬ゲーム「ROYAL GRANDPRIX DERBY」が楽しめます。日本人にとって競馬ゲームはゲームセンターだけでなく家庭用ゲーム機(PS4等)でも遊べる身近なものですが、世界的にはバーチャルの競馬は非常に珍しいです。バーチャルの競馬ゲームは、日本のローカルゲームと言っても過言ではないでしょう。
アジア圏で人気のローカルゲーム(ローカルギャンブル)といえば「大小(シックボー)」があげられます。「大細(タイサイ)」とも呼ばれるそれは、3つのサイコロを転がし、出目の合計などを予想するゲームです。
ルールが非常にシンプルで、日本の丁半賭博にも少し似ているので、大小は初心者でもプレイしやすいです。本記事では大小のルールや配当についてご紹介します。
大小(シックボー)とは? シンプルだからこそ盛り上がるサイコロギャンブル
「大小(Sic bo/シックボー)」は、3つのサイコロを転がして、出目の合計値の大きさや、それぞれの出目を予想して賭けるギャンブルです。「最初は単純なゲームがオススメ! オンラインカジノ初心者向けのゲーム2選」でもご紹介した通り、とにかくルールがシンプルなので誰でも簡単に楽しめます。広東語で「大細(タイサイ)」と呼ぶこともありますが、同じゲームです。
大小という名前は、3つの出目の合計が「11~17」の場合を「大」、「4~10」の場合を「小」と見なし、大or小に賭けることから付けられました。丁半賭博(丁=偶数、半=奇数)とよく似ていますね。西洋のゲームだとルーレットの赤・黒に似ています。
3つのサイコロは、完全に密封された容器(不透明、透明の二重になっている)の中に入れられています。現代カジノではディーラーではなく機械がシャッフルするので、イカサマの余地はありません。
ベッティングするのは、サイコロシャッフルが終わって3つの出目が確定してから。大小にはルーレットと同じような専用のテーブルがあり、チップを置く場所によって賭ける対象を示します。大か小かを選ぶだけでなく、出目の合計やゾロ目を当てる賭け方もあります。
アジアのカジノ&オンラインカジノで「大小」が遊べる
大小はアジア生まれのギャンブルなので、アジア圏のカジノなら大抵どこでも置いてあります。が、大小のメッカといえばやはり「マカオ」でしょう! 小説『深夜特急』では、主人公がマカオのカジノで大小をプレイする様が描かれています。
中華系の方に人気が高いので、中華系のお客さんが多いカジノほど「大小」の専用テーブルの数が増える傾向にあります。「カジノ推進派も反対派も必読! 日本人エージェントが紹介するカジノの実態や悲喜こもごも」の記事でもご紹介した通り、中国の方は大勢集まってワイワイ騒ぎながらギャンブルするのが好きなので、リアルカジノで中華系の団体客の盛り上がりぶりを見るとびっくりすると思います(笑)
リアルカジノでも機械化されているので、オンラインカジノで遊んでも違和感がありません。ジパングカジノをはじめ、アジア色の強いオンカジには大抵導入されています。
大小(シックボー)のルールとは? 大・小以外にも賭けられる!
「大小(シックボー)」では、不透明な密閉容器の中で3つのサイコロを転がし、その出目の結果などを予想して賭けます。上の画像のような大小専用のベッティングシートがあって、賭けたい場所にチップを置きます。
チップの置き方(賭け方)はおおまかにわけて5種類あります。配当はそれぞれ決まっていて、賭け方によって2倍~181倍と大きな差があります(マカオのカジノは配当の設定が標準より低めです)。
1ゲームで賭けられる数には制限がありません。複数の場所にチップを置くこともできます。チップ移動は、ディーラーが「No more bet(ノーモアベット)」と宣言するまで自由にできます。賭けた後の取り消しも、ベッティングが締め切られるまでならアリです。
大小の5種類の賭け方は、以下の通りです。
大小(シックボー)の賭け方
出目の合計は3~18の16種類、3つのダイスの組み合わせは6×6×6の216通りあります。大小を当てるだけなら簡単ですが、組み合わせを当てるのは至難の業です。たった3つのダイスでも案外奥深いですね。確率論や統計学(それを元に生まれた生命保険などの商材)の基礎はサイコロ賭博の研究から生まれたというのも納得できます。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
1.「大」「小」を当てる【大小】
【大小】では、出目の合計が多いか少ないかを予想します。配当はどちらに賭けても2倍(1 to 1)です。
「小」=【4】~【10】
「大」=【11】~【17】と定義します。
3は1のゾロ目(
18は6のゾロ目(
なので大小には含まれまず、自動的に負けとなり、掛け金は全額没収されます。
同様に、小の【6】【9】と大の【12】【15】は大小の区分に含まれますが、3つのサイコロがゾロ目になった場合は負けになります。例えば「小」に賭けて出目の合計が【6】になった場合…
結果 | 出目の組み合わせ |
勝ち | 「 「 |
負け | 「 |
ちなみにサイコロ3つのうち2つがゾロ目になった場合(ダブル)はセーフで、勝ちとなります。
2.出目の合計を当てる【トータル】
【トータル】では、サイコロ3つの出目の合計を予想します。【大小】と同じくゾロ目は除外されるので、賭けの対象は【4】~【17】の14種類です。
シートの中央あたりに【4】【5】……【16】【17】と数字が並んでいて、配当は6倍(5 to 1)~61倍(60 to 1)と数字によって違います。両端の数字は配当が高く、中央部は低く設定されています。
これまた【大小】と同じく、【6】【9】【12】【15】がゾロ目(トリプル)になった場合は負けになり、掛け金が没収されます。この4つは出目の組み合わせが1つずつ減るので、確率を計算するときには注意が必要です。
サイコロ3つのうち2つがゾロ目になるダブルはセーフで、勝ちとなります。
3.サイコロ3つのうち1つの出目を当てる【ワンダイ】
3つ投げるサイコロのうち、1つの出目を当てるのが【ワンダイ】です。6面サイコロなので賭け対象は【1】~【6】の6種の数字です。サイコロには区別を付けないので、3つの出目の中に1つ以上賭けた数が含まれていれば勝ちです。
ワンダイでは、賭けた数字と一致した出目が多いほど配当が高くなります。3つのうち1つが的中すれば配当2倍(1 to 1)、2つ的中すれば配当3倍(2 to 1)、3つ的中すれば配当4倍(3 to 1)となります。
例えば【1】に賭けたとします。
的中数 | 配当 | 組み合わせ例 |
1個 | 2倍 | 「 |
2個 | 3倍 | 「 ※3つ中2つがゾロ目の状態 |
3個 | 4倍 | 「 ※3つともゾロ目の状態 |
【大小】や【トータル】と違って、2つのゾロ目・3つのゾロ目ともに勝ちになります。「3つの出目に含まれる数」が賭け対象であり、サイコロの組み合わせは問わない(区別をつけない)というルールが優先されるのです。
ちなみに、【ワンダイ】はシングル、あるいはルーレット風に、ストレートと呼ばれることもあります。ルーレットのストレート(数字を1つだけ選んで賭けること)と同じ意味です。
4.サイコロ3つのうち2つの出目を当てる【ペア】
サイコロ3つのうち2つの出目を予想するのが【ペア】です。チップ置き場はトータルの数字の下に「1と2」「2と3」……「4と6」「5と6」と並んでいて、合計で15通りの組み合わせがあります。また2つの出目がゾロ目になる組み合わせが6種類あります。
2つの出目が違う【コンビネーション】
【ペア】で予想する2つの出目が違うの場合を【コンビネーション】といいます。上でも書いたように「勝ち」の組み合わせは15通りですが、出目が3つともバラバラでないとコンビネーションにならないので、1つの組み合わせにつき4パターンの出目が考えられます。
「1と2」に賭けて、【コンビネーション】が成立するのは、
「
「
「
「
以上の4通りであるということです。
「
は後述の【ダブル】に賭けていないと勝ちと見なされません。
配当はどの組み合わせも7倍(6 to 1)です。
2つの出目がゾロ目の【ダブル】
【ペア】で予想する2つの出目がゾロ目になる場合を【ダブル】といいます。
「
「
組み合わせは6通りで、すべて配当11倍(10 to 1)です。ゾロ目が3つ中2つでも、3つすべてでも配当は変わりません。
5.ゾロ目を当てる(トリプル)
3つの出目がゾロ目になると予想する賭け方を【トリプル】と呼びます。数字を問わずゾロ目が出ることに賭けるのを【エニートリプル】、特定の数字が3つ揃うことに賭けるのを【トリプル】と区別します。
エニートリプル(ゾロ目なら数字は問わない)は配当31倍(30 to 1)、トリプル(ゾロ目になる数字も当てる)は配当181倍(180 to 1)に設定されています。(※マカオのカジノでは、トリプルの配当が151倍(150 to 1)と低いです)。
3つの出目がゾロ目になった場合ルーレットの「0」と同じように、【トリプル】【エニートリプル】以外に賭けられたお金は親(カジノ)の総取りになります。ゾロ目が出た時点で、ゾロ目に賭けていない方は負けが確定するということです。
次回の記事では、それぞれの賭け方の配当や期待値について詳しく解説します。少しでも勝率を上げたい方は必見です。近日中に公開予定ですので、どうぞご期待ください!