東洋のラスベガスとも称される、世界最大のカジノリゾート地区・マカオについてご紹介します。
マカオについて
マカオは中国の特別行政区です。南シナ海に面したマカオ半島と、コタイと呼ばれる地域(タイパ島・コロアネ島の間を埋め立てた土地)からなります。
旧ポルトガル植民地で、1999年に中国へ返還されました。香港と同じく返還後50年間は現状の保全が取り決められているため、2018年5月現在も、中国本土よりも大幅な自由が認められています。
中国大陸の中では最古の植民地で、2005年にマカオ歴史地区として8つの広場と22の建物が世界文化遺産に指定されました。マカオの主要産業は観光とカジノです。
マカオの言語
公用語は広東語(中国語)およびポルトガル語です。公文書や看板には、中国語とポルトガル語が併記されています。返還前から中国本土との結びつきが強かったため、ポルトガル系を除くほとんどのマカオ住民は広東語を使用しています。
マカオの通貨
マカオの通貨は「マカオ・パタカ」です。香港ドルとペッグされていて、主に使われているのは香港ドルです。香港ドルは米ドルとペッグされているので、事実上マカオ・パタカも米ドルとペッグされているととらえて問題ありません。
1香港ドル=1.03パタカ(2019年8月23日17時現在)で、パタカの方がわずかに価値が低いですが、実際には等価として扱われることがほとんどです。マカオ・パタカと香港ドルを混ぜた支払いも可能です。
しかしマカオ・パタカは香港では使えないため、香港経由でマカオと行き来する場合、マカオから出国する前にマカオ・パタカを香港ドルに両替する必要があります。
マカオは東洋のラスベガス
マカオには「東洋のラスベガス」と呼ばれるほどたくさんのカジノが運営されています。元は「ギャンブルの帝王」「マカオの盟主」とも呼ばれる実業家のスタンレー・ホーがマカオのカジノ運営権を独占していました。
2002年にカジノ経営権の国際入札を実施したことによって、香港系のギャラクシー・カジノ社やアメリカのウィン・リゾーツ社もマカオのカジノ経営に参入しました。
その結果外国からの投資が急増し、2006年にはカジノ売り上げがラスベガスを超え、世界最大のカジノ都市となりました。1人あたりのGDPが非常にたかく、マカオ市民はとても裕福です。
ザ・ベネチアン・マカオ
マカオには大規模カジノが複数あります。その中でも特に有名なのが「ザ・ベネチアン・マカオ」です。
2007年にラスベガス・サンズが開設した「ザ・ベネチアン・マカオ」は世界最大のカジノリゾートです。面積はなんと51,000㎡で、東京ドームを1回り以上上回る広さを誇ります。ベネチアをモデルにした華やかなランドカジノです。
ザ・ベネチアン・マカオはすべての施設の中心部にカジノがあり、どこへ行くにも必ずカジノエリアを通過する設計になっています(ただし18歳未満は立ち入り禁止)。そのためカジノで遊ぶ際にいちいちボディチェックされることはありません。
350を超えるショップやレストランが併設されていて、コンサート会場では世界中の著名なアーティストがコンサートを開いています。今後も集中リゾートとして拡張されていく予定です。
3000室すべてがスイートルーム仕様
ザ・ベネチアン・マカオは全部で3,000室の巨大ホテルなのですが、なんとそのすべてがスイートルーム仕様なんです。一番小さい部屋でも70㎡もあるというのですから驚きですよね。
部屋のタイプは大きくわけると4種類。キングベッド1台の部屋、クイーンベッド1台の部屋、クイーンベッド2台の部屋、そして家族連れ用の部屋です。
内装が非常に豪華で、リビングルームには大型TVとフルサイズのソファセットがあり、バスルームは大理石でできています。ミニバーやコンシェルジュサービスもついています。コンセントは国際規格に対応していて、一部は日本のものがそのまま使えます。
booking.comで空き室を検索してみたところ、平日の最安値は1泊18,080円。日によって値段は変わりますが、だいたい2万円あれば泊まれるようです。庶民でも自分へのご褒美で泊まれますね。
禁煙・喫煙も選べますし、バリアフリー対応の客室もあるので身体が不自由な方も安心して泊まれます。
ショッピングモールはすべて免税
ショッピングモール「グランドカナル」はアジア最大の免税店街です。カジュアルなブランドから高級なブランドまでさまざまなショップが並んでいて、ショッピングが好きな人ならきっと大満足でしょう。
トランプなどのカジノグッズも購入できるのでお土産を見繕うのにもぴったりです。サッカーファンなら『ザ・マンチェスターユナイテッド』も見逃せません。
グランドカナルという名前の通り、ショッピングモール内には運河が作られています。(ヴェネチアの大水路をカナル・グランデと言います)ゴンドラに乗れるだけでなく、ゴンドリエーレ(ゴンドラの漕ぎ手)体験もできます。
マカオで人気のギャンブル
マカオのカジノでは多くのギャンブルが合法とされていますが、人気なのは大小やバカラのような、結果を予想する賭け事です。またほぼすべてのカジノにスロットマシーンが備え付けられています。
大小(だいしょう、シックボー)
小説『深夜特急』でおなじみの「大小(シックボー)」は3つのサイコロを用いたギャンブルです。出目の合計などを予想します。大細(たいさい)とも言います。密閉容器の中に入れたサイコロを機械によってシャッフルし、出目が確定した後にテーブルにチップを置いて賭けます。
大小の最低掛け金が50パタカ~300パタカ(50香港ドル~300香港ドル)程度に設定されていて、マカオのカジノの中では最も少ない元手で遊べます。とてもルールが簡単なので、ギャンブル初心者でも楽しめるでしょう。
ドッグレース
マカオではドッグレースが盛んです。1931年にドッグレースを設置して以来庶民に人気となりました。日中戦争などの影響で閉鎖されましたが、1963年に再開されました。現在は場外投票サービスに力を入れており、ストリーミング中継や専用チャンネルも開設されています。
競馬は他国のカジノでも楽しめますが、ドッグレースが楽しめるのはマカオだけです。犬好きの人なら一見の価値ありです。
追記
2018年7月21日を最後にドッグレースが廃止され、レース場も閉鎖される運びとなりました。外資系高級グランドカジノに押されドッグレース人気が下火になったこと、そして世界的に動物愛護の機運が高まっていることから継続が困難と判断されました。
ローカルな文化が失われるのは残念ですが、闘牛やロデオも問題視されている昨今、仕方のないことなのかもしれません……。
まとめ
豊富な観光資源とカジノ投資でマカオのカジノリゾートは今も成長を続けています。アメリカ資本のカジノも多いため、質のいいサービスが受けられるでしょう。大小やバカラのような駆け引きの必要ないギャンブルが人気なため、不慣れな人でも楽しく遊べます。地理的にも近いので、日本人にとってマカオのカジノは利用しやすいと言えます。
次回はシンガポールのカジノ事情を特集予定です。
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